久々に遊戯王カードで遊んだ

 ロリコンの友達からメールが届いた。暇なら小学生と遊ぶボランティアに参加しないかという。わたしは前日につくったババロア遊戯王カードとDSを持参してすぐに出かけた。ちなみにババロアは道中でひとりで全部食べた。
 現地に着くとすでに子どもたちがギャンギャン言いながら遊んでいた。今日も日本は平和だ。わたしはロリコンの彼とは違って自意識の肥大しまくった小学生女子の相手をする自信はないので、アルセウスを貰う為に劇場版ポケモンを見に行くことしか考えていなさそうな小学生男子たちの元へ向かった。低学年男子(と少しの女子)は学生ボランティアが用意した巨大魚釣り?ゲーム的なものに歓声を上げている。ここには介入の余地はなさそうだ。
 そこでわたしはギャンギャン言いながら公民館の一角をデュエルスペースにしてしまっている奴等に近づく。いわゆる中〜高学年、ギャングエイジの子どもたちである。ギャングエイジとは発達科学の用語で、セリエAのスター選手よりギャングスターにあこがれているという意味だ。一歩対応を間違えればなめられてしまう。緊張感が場を支配するなか、わたしはギャングエイジャーに声をかけた。
「それ遊戯王カード?」
「そうやで、知ってるん?」
「おっちゃんもデッキ持ってるで、やろか」
「えっ、カード賭けるとかなしやで」
「ないない」
「なかったらやるわ」
「そうか、やろか」
 どうも彼らは賭博常習者らしい。カードは「一時の娯楽に供する物」であるような気がするので法律的にはセーフなような気がするが、高額でレアカードを買い取っている店もあるから、判断は難しい。メンコやビーダマの時代とは違うのだ。ここは賭けないほうがよいだろう。常習賭博はたしか三年以下の懲役であったと思うし。小学生に犯罪を犯させるのは忍びない。
 そして詳細は省くがわたしは勝利した。大きいお友達向けに書くとウィッチが2枚入れられたころのエグゾディアデッキであった。まだまだシンクロごときには負けないということだ。そしてどうも彼らはエグゾディアの存在を知らなかったらしくわたしは一躍彼らの中でヒーローになった。生きて英雄を楽しむとはまさにこのことか。わたしは快感の渦の中にいた。